大きなリスクを取れない主婦こそ、ビジネスは「小さく生んで大きく育てる」という言葉の意味を理解しておこう
最近は、小さなお子様がいる主婦・ママさんでも起業に向けて動いているという方が沢山います。ただ育児との両立になるし、家庭の事も色々とあるので、100%ビジネスに注力する事はできませんし、初期投資がかかるような大きな勝負はできません。大きなリスクを取る判断ができないのは仕方のない事ではあります。
その結果、出来ることから小さく始めるという事になるわけですが、小さく始めると中途半端なものになって結果が出ないか?というとそういう訳でもありません。
よく言われるビジネス格言のようなものに「ビジネスは小さく生んで大きく育てる」という言葉があります。起業を志す主婦・ママさんこそ、この言葉の意味を理解しておいて欲しいと思うので、今回はこの言葉について解説をしていきます。
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1年結果が出なくても諦める必要はない。そもそもビジネスが軌道に乗るまで2、3年はかかるもの
まず、そもそもの話なのですが、100%ビジネスに集中できる環境であったとしても、ビジネスが軌道に乗るまでは2、3年程度かかるのが通常です。2年連続赤字で3年目から黒字化していくというケースも少なくありません。
税理士さんも「一年目から絶対に黒字を目指して下さい!」とは言いません。そうではなくて、すぐに利益が出ない事を想定して「黒字化していくための計画を立てる」、「しばらく売上が続かなくても事業が回る資金(運転資金)をしっかり準備しておきましょう」という指導をするのが通常です。
だから1年続けても満足いく結果が出なくても「自分にはビジネスは向いていない」とか「育児との両立で時間が取れないハンデがあるから無理なんだ・・・」等と諦める必要は全く無いんです。
生活費の事もあるので焦る気持ちもあると思いますが、焦りすぎると結果が出るものも出なくなりますので、じっくり腰を据えて取り組みことが大切です。
開業1年未満の廃業は30%もある。最初が一番つまづきやすい
なお、当サイトの無料動画講座の中でも女性起業家の3年未満の廃業率が非常に高いという話をしていますが、男女関係の無い数字でも「1年未満の廃業率は30%」も有ります。
つまり、出だしでつまづく人が多く、3分の1は1年持たずに廃業という事になるのですが、だとしたら尚更、最初から大きな金額を投資してビジネス始めるのはリスク大きいという事になりますよね。
だからこそ、ある程度失敗するリスクも考えつつ、もし転んでもまた立ち上がれるような取り組み方をする事は重要です。
子どもの成長と同じ? 小さく転ぶ練習をして、力をつける考え方も大切
強い想いを持って起業の一歩を踏み出す段階では、失敗するリスクも想定しておくのは難しい部分もありますが、それでも転び方というのは大切です。
最初から300万の借入をして1年で廃業し、そのまま300万円もしくはそれ以上の負債を背負ってしまったら、体制を立て直すのに時間のかかる大きなダメージを負ってしまいます。
また、ダメージが大きいと、完全に心が折れて再チャレンジも諦めてしまう人も多いです。
でも、50万円程度の小さな初期投資でビジネスを始めた場合、うまくいかずに撤退したとしても致命的なダメージにはなりません。
何故うまくいかなかったのか?改善すべき点はどこか?等を振り返って、体制を整え直して再チャレンジする事も可能になります。
これは子どもの成長に似ています。歩き始めるときや、自転車の練習のイメージですね。
大怪我をしないという大前提の基、小さく転んでまた立ち上がるを繰り返し、コツを掴んで、次第に転ばず歩けるようになる、転ばず自転車に乗れるようになる。
ビジネスでも小さく転んで立ち上がり、前に進む。そういう練習、経験値を積むことは重要です。
失敗するリスクも踏まえつつ、3年程度の事業の成長計画をたてる
起業の最初の時期は目先の売上や、事業展開のことばかりに意識が行きがちですが、長くビジネスを続けるためには目先のことだけでなく長期的な計画を立てる事が大切です。
長期と言っても5年、10年ではありません(それもあった方が良いですが)
最初の壁となる1年間の計画、さらに事業の成長を加味した3年計画がオススメです。※この3年というのが第二段階の壁になります
また、失敗するリスクもある程度想定して、無理な投資はせずに計画的に、着実に成長を辿っていけるような計画を立てるのが良いと思います。
そしてとにかく続ける事が重要
そして、計画を立てたら実行するのみですが、重要なのは続けることです。続けるという事はお客様と関わり続けるという事、ニーズに応え続けるという事です。その中に実践でしか得られない経験が沢山含まれています。
当然、良い時もあれば悪い時もありますが、できる限りの精一杯でその荒波を超え続けて下さい。
その経験の中で商品・サービスもより良いものに研ぎ澄まされていくので、提供できる価値も高まりますし、お客様も定着し、ファンも増えていくのでビジネスとしての上積みも生まれます。
仮に廃業しても人生の終わり、夢の終わりではない。地力はしっかりついている
もしうまくいかず事業を諦めてしまったとしても、当然それで人生の終わりでは無いですし、小さく転ぶような形で致命的なダメージを負ってさえいなければ、再チャレンジできます。
また、1年未満であっさり諦めてしまう場合と、2〜3年もがき苦しみながらも続けて、最終的に諦めた人では、後者の方が経験値は貯まっています。
その経験値はビジネスの地力となって身についているので、もう一度奮起してチャレンジする場合にも必ず活きてきます!
事業に失敗しても人生は続くし、生きていくためには仕事をしなくてはいけません。人生の大部分を占める仕事は楽しい方が良いに決まっています。そう思えば、一度の失敗なんて何てことはないと考えられるようになるんじゃないかなと思います。
ビジネスの継続は「変化に対応する柔軟性」も大切です
「ビジネスは小さく始めて大きく育てる」、「粘り強く2、3年継続すれば、軌道に乗って安定してくる」という事はよく言われますが、その粘り強く2、3年継続するという上で重要なのは「変化に対応する柔軟性」だと思います。
特に現在は市場のニーズの変化も早いので、2〜3年という期間のうちに「起業時に通用したやり方が通用しなくなる」、「ターゲット層のニーズ自体が変わってしまった」という事も十分に起こりえます。
だからこそ、自分の商品・サービスを顧客のニーズに合わせて柔軟に変化させたり、場合によっては新しい商品の開発や、販路の開拓を行えるだけの柔軟性が大切です。
生物の進化と同じように、長く生き残るには「変化に対応できる」事が重要なポイントになります。
講師黒瀬が考える主婦・ママさんの理想的なビジネス拡大の仕方
小さなお子さんのいる主婦・ママさんの場合、やはり大きな初期投資や、事業のスタート時からいきなり固定費が高い(高い店舗家賃、最初から従業員を数名雇う etc.)状態での起業はリスクが大きいので、よっぽど計画性、収益の見込みがしっかりしていない限りオススメはしません。
・初期投資はなるべく押さえた上で、運転資金をしっかり準備して事業をスタートさせる
・目先の利益を追い求めすぎず、毎月コンスタントに発生する継続収益を増やす事を重視する
・継続収益が増えて生まれた余力で事業を拡大する
という流れがリスクが少なく確実性が高いと思います。
継続収益の伸ばし方や考え方は講座で解説する部分になりますが、例えば教室の月謝や、コンサル費等、毎月お客様から頂く月会費のようなイメージです。
継続収益は毎月入ってくる事が約束されるお金とも言えるので、これが多くなるとビジネスは安定します。
コンスタントに安定した収益が取れるようになったら、その資金・余力を使ってビジネスを拡大するために投資をする(逆に言うと、その余力が出来るまでは無理な拡大はしない)という取り組み方ですね。
まとめ
ビジネスと家事・育児との両立が必要な主婦・ママさんは、思うように時間が取れず100%ビジネスに集中できないジレンマもあると思いますし、守るべきもの、優先事項があるので、リスクを伴う大きな勝負に出れなくて当然です。
でも小さくビジネスを始める事をマイナスに思う必要は有りません。ビジネスによっては最初から大きな投資で市場のシェアを取る必要のあるものもありますが、基本的にはどんなビジネスでも「小さく始めて大きく育てる」取り組み方は可能です。事業を軌道に乗せるまでには時間がかかる事を受けとめて、じっくり腰を据えて取り組む。転んでも、それを経験値に変えてまた立ち上がれば良い!と考えられるような取り組み方をする。
そういった取り組み方は主婦の方にもスゴく合っていると思います。