自宅のアパート・マンションの一室を自宅兼事務所に出来る?開業届の住所・自宅事務所の注意点について

これから起業を考えている女性の方は、まずは事務所を借りずに自宅を事務所として活動を始めようと考える方も多いと思います。ただ、アパートやマンションを賃貸している場合、自宅を事務所として利用する事が禁止されているケースも多いので注意が必要です。

今回は自宅件事務所で開業したい場合の手順、注意点等について解説していきたいと思います。

 

Contents

まずは、賃貸借契約書を確認しよう!

アパートやマンションを賃貸している場合は必ず「賃貸借契約書」というものがありますので、まずはこれをしっかり確認して下さい。ここに「居住用」と明記されていると、基本的にはあくまで住居としての契約ですので一切の営業活動をしてはいけないという事になります。ただ、これだけで絶対に自宅事務所は実現不可能という事にはなりません。

実際には不動産会社を通じてにはなりますが、貸主(アパートやマンションのオーナー)に確認をして許可を取ることが出来るケースもあります。

 

あくまで登記だけの場合は問題のないケースも

個人事業の開業届を出す際に、住所を書く必要があるのですが、貸主に許可を取っていない状態で「ここに自宅の住所を書いて良いのか??」と悩む方も多いと思います。実際、開業届に自宅の住所を記載したからといって、貸主に連絡が行くわけでも無いですし、現実的には何も支障がないのですが、それでもやはりホームページやチラシ、名刺に住所を書いたりするわけですし、しっかり許可はとっておきたいところですよね。

 

エステサロンやネイルサロン等、人の出入りが多い業種は許可がおりにくい

貸主に交渉し、許可を取る場合、人の出入りがあるのか?無いのか?という事は大きなポイントになります。エステサロンやネイルサロンのような「店舗」に近い使用方法の場合、当然、人の出入りが多くなります。

住居用のアパート、マンションに居住者以外の不特定多数の人が出入りする状態は、他の居住者の方にとっても良くない状態と言えるので、エステサロン、ネイルサロン等の業種の場合は許可がおりにくい事がほとんどです。

 

過去にトラブルがあったオーナーさんは頑なに許可を出さないケースも

実際、無許可でアパートの一室を「ネイルサロン」のスペースとして使用し、オーナーさんにバレて強制退去という結果になった話を聞いた事があります。最近はそうでも無いのかもしれませんが、ネイルサロンの場合、シンナーのような臭いが部屋に染み付いてしまうケースがあり、それを嫌って「ネイルサロンはNG」という考えを持っているオーナーさんもいるそうです。

この業種だから駄目、良いという事は決まっていませんが、オーナーさんによって、色々な考え方がありますのでまずはしっかり確認をする事が重要ですね。

 

オートロックの場合は特に許可がおりにくい

最近では、賃貸でもオートロックのアパート・マンションが増えていますよね。オートロックの賃貸物件の場合は、そもそも不特定多数の人の出入りを防止し、セキュリティを強化する事が目的なので、なおさら許可がおりにくくなります。

 

人の出入りがほとんど無い事務所スペースとしての利用の場合

なお、店舗のような人の出入りがほとんどなく、あくまで自分の拠点としての事務所スペースを設けているだけであったり、デザイナーさんのようにただ作業をする場所というだけの場合は、他の居住者の方に迷惑をかける事もないので、比較的貸主からの許可もおりやすくなります。

「不特定多数の人の出入り」という点が判断に大きく影響するという点は理解しておいて下さい。

 

許可は出るが、看板を出してはいけないというケースも

人の出入りが少なく、あくまで事務所スペースという利用であれば問題なしという判断をされる場合もありますが、その場合でも「看板を出して良いか?」、「ポスト等に屋号を貼っていいか?」などはしっかり確認をするようにして下さい。

ほとんどの「居住用」の賃貸物件で事務所使用の許可が出るとしても、あくまで基本的には「居住用」です。他の方の目もありますので、「許可はするけど看板は出さないで欲しい」と言われるケースもあります。

 

自宅兼事務所で新しく賃貸物件を借りる場合のポイント

まずは事務所使用可能が可能か確認をしよう!

とにかく最初は不動産会社の方に、自宅件事務所として使用できるアパートが無いか確認してもらって下さい。ただし、その前提だけで探すと立地的な問題や、建物が古い等、希望のイメージに合わない場合もあると思いますので、あくまで「居住」優先で探して、希望の物件で事務所使用の許可がおりるかオーナーさんに確認を取ってもらうという手順でも構いません。

既に他の店舗が入っている、看板があるような物件は事務所・店舗利用できる可能性が高い

既にアパートに店舗の看板が出ているとか、チラシなどでアパートの一室の住所が記載されていて大々的に広告されているような物件であれば、明らかに貸主が許可を出している物件のはずなので、事務所使用できる可能性が高いです。

自分でそういった物件を探すのも一つの手ですね。

 

比較的築年数が経っている物件の方が許可がおりやすい

築年数が経っている物件は、借り手にとっての魅力が落ちてくるため、不動産のオーナーさんも途中から「ペット可物件」に条件変更したり色々の手を考えますよね。基本的には家賃を下げない方向で借り手を探したいというのが本音なので、築年数が経っている物件の場合「事務所利用」でも借りてくれるなら貸したいと考えるオーナーさんも多いので、許可がおりやすくなります。

 

駐車スペースの事も考えておこう!

新しく物件を借りる場合は、近隣でお客様の用の駐車スペースを確保できるかどうか?という事も考えておきましょう。立地によっては不要な場合もありますが、仮に店舗型でないとしても1台分ぐらいの駐車場は確保したいところです。

最初は不要と考えていたけど、後から必要になった。でも借りれる駐車場が近隣に無い・・。といった事にならないように最初から慎重に検討しましょう。

 

現在、居住している賃貸物件の自宅兼事務所での使用許可を取る際のポイント

「事務所として使用して良いですか?」だけではおりる許可もおりない

不動産会社に問い合わせする際、現在賃貸している住居を「事務所兼自宅で使用して良いですか?」という単純な聞き方ではおりる許可もおりません。「こういう使用の仕方なんですが」という詳細をしっかり伝えるようにして下さい。

人の出入りほとんど無い、看板は設置しない事を伝える

一番許可のおりやすいパターンは、最初の問い合わせの時点で「あくまで事務所スペースとしての利用だけで、人の出入りはほとんどない、看板などの設置もしない」と伝えた上で、許可の確認をしてもらう事です。

場合によっては、貸主への確認も無く、不動産会社の担当者レベルで「そういう形なら問題ない」と回答される事もあるようです。

 

エステサロン、ネイルサロン等、店舗型の場合は正直に話そう

事業所としての使用目的がエステサロンやネイルサロン等の店舗型の場合、許可がおりない可能性は高いですが、それでも包み隠さず正直に話して下さい。嘘をついて許可をとり、後からバレるような事は一番最悪です。

 

住所の登録の許可もおりない場合はどうするか?

諦めて事務所・店舗を借りる

自宅の事務所利用は諦めて、事務所を専用で借りるというのが最もシンプルな方法です。ただ、家賃意外にも光熱費等の固定費が大きくかかってしまうため、事業のスタート段階での収益性が乏しい場合、最初から無理はしないで下さい。

シェアオフィスを探す

地域にもよりますが、最安月額2〜3万円程度の賃料でレンタルできるシェアオフィスもあります。安いシェアオフィスはデスクにPCと椅子がある程度で、ネットカフェのブース??というぐらい小さい事も多いですが、それでも拠点としての住所登録は出来ますし、店舗型ではなく事務所スペースがあれば良いという方は、シェアオフィスを探してみるのも良いと思います。

 

バーチャルオフィス(住所貸し・郵便物転送)を利用する

また、例えば出張型でサービスを提供するビジネスの形態で、作業スペースさえも必要ないという場合は、バーチャルオフィスというサービスを利用するのもオススメです。

これは、シェアオフィスなどがサービスの一環として行っているケースが多いのですが、スペースのレンタルは無しで、所在地として登録できる「住所」の権利のみを得るというサービスです。また、自宅などへの郵便物の転送も行ってくれます。

月額1万円程度なので、最悪このサービスを利用するという手もあります。

 

まとめ

他にも親の住所を借りるというパターンもありますが、これはあまりよろしくないので割愛します。

ビジネスのスタート段階から、事務所や店舗家賃などの固定費の負担が大きいと、必要な売上のハードルが高くなりますし、最初は自宅兼事務所で・・・と考えるのは、決して悪い考え方ではありません。

ただし、どんな物件でも事務所、店舗として利用できるわけではないので、正しい手順や知識を身に着けておく必要があります。

これから起業される女性の参考になれば幸いです。


筆者
黒瀬 圭

黒瀬 圭(Kei Kurose)
Girl’s Standard主催/株式会社ドリームテラー 代表取締役

1981年生まれ。沖縄県宜野湾市在住(出身は大阪府大阪市)
WEB制作、集客支援業務に12年以上携わり、子育て世代応援サイトも 運営。自身も2児のパパ。現在は、女性の起業、長く続くビジネスの 支援する立場として、全国の女性の自立支援に力を入れています。
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