自宅サロンのメリット・デメリット13選とビジネス拡大に向けて注意すべきポイント

2017.03.23

起業のタイミングでは、家賃などの固定費の事もあるので、店舗を賃貸するのではなく、まず「自宅サロン」からスタートしたいと考える女性は多いと思います。

今回は自宅サロンのメリット・デメリット、また注意すべきポイントについても解説していきたいと思います。

 

自宅サロン 6つのメリット

お金の問題。店舗の賃貸に比べて固定費を抑える事ができる

自宅サロンのメリットとして、まずはお金の問題が挙げられますよね。店舗を賃貸するとなると、初期費用もかかりますし、毎月の家賃や光熱費等の固定費が大きな負担となります。

それに比べ、自宅サロンであれば光熱費は多少増加するとしても、家賃が増えるわけでは有りませんし、お金の面のリスクが少ないという理由で気軽に始めやすいというメリットがあります。

固定費を抑えられる分、利益を上げやすい。低価格に設定しやすい

ビジネスをする上で、収益を圧迫する大きな要因となるのが「固定費」です。固定費を含めた経費を低く抑える事ができれば、利益も上がりやすいため、自宅サロンは店舗型のサロンに比べて利益率は高くなる傾向があります。

また、経費が抑えられる分、一人ひとりのお客様に対する原価も低くなるので、料金設定も安くしやすいというメリットがあります。ただし、料金設定については注意が必要なのですが、これについては記事の最後の方の注意点の部分で触れています。

 

家事や育児の時間とのバランスが取りやすい

自宅サロンでの開業を選ぶ女性には小さなお子様がいるケースも多いのですが、お子様がいると保育園・幼稚園の送迎や、習い事の送迎、お弁当、その他の家事など、毎日家庭の事に多くの時間をさく必要があるため、時間を効率的に活用して事業活動を行える時間をできるだけ長く確保する必要があります。

小さなお子様がいる主婦の方はサロンのオープン時間を「10時〜16時 or 17時」に設定する方が多いのですが、自宅と離れた場所にある店舗への行き来があるのと無いのとでは、時間の効率性に大きな差がありますよね。

自宅サロンであれば、合間に家事や育児をしたり、家庭との時間的なバランスを取りやすいというメリットもあります。

 

子連れなどのお客様を呼びやすい

また、自宅サロンの場合はアットホームな空間づくりもしやすいので、お子様連れのお客様も来店しやすいというメリットもあります。子ども連れで来店できるというのは大きな強みとなりますので、サロンオーナーの方の考え方にも寄りますが、子連れのママさんにも開かれたサロン作りをすることは、店舗型や有名ブランドのエステとの差別化にも繋がります。

 

プライベートサロン化しやすい

自宅サロンの場合、スタッフは女性起業家の1人のみというケースがほとんどになると思いますので、常にマンツーマンでの接客・施術となります。エステやネイルなど美容系のサービスを利用する女性は、他のお客さんと会いたくないという考えを持つ人も多いため、プライベートサロンとしての見せ方をする事で、自宅サロンという特徴を強みに変えることもできます。

 

お客様と近い関係を築きやすい

施術スペースと生活空間はしっかり区切る必要が有りますが、例えば施術後のお客様をリビング側に通してお茶を出して少しお話する時間をとったり、あえて生活空間の部分にまでお客様を踏み込ませる事で、施術者とお客様以上の関係を築くという事もできます。

生活空間も常に綺麗にしておく必要はありますが、あえてオープンにする事で、お客様と近い関係性を作りやすいというメリットもあります。

 

自宅サロン 7つのデメリット

立地の面で不利になる事が多い

本来、立地の戦略はターゲット層を明確に想定した上で、慎重に検討するべきものですが、自宅サロンの場合は住居の一部をサロンにするだけなのでターゲット層にあった戦略的な立地になっているか?というとそうでないケースも多いと思います。

また、アパート・マンションの一室であれ、一戸建てであれ、裏通りや住宅街の中にあるなど、店舗として場所が分かりにくいという問題が起こることが多いです。

独立型の店舗に比べ、ブランドイメージを築きにくい

世間一般のイメージとして、独立した店舗型のエステサロンと自宅サロンを比較した場合に、どうしても店舗型の方が「高級感が有り、サービスの質も高い」という印象をもたれやすいのが実情です。

自宅サロンの場合、店舗型のサロンと比べブランドイメージを構築しにくいというネックがあります。この点については、現実としてしっかり受けとめ、「本格的である事」「サービス品質が高い事」をうまくPRしていかなくてはいけません。

 

明確なウリが無いと集客しにくい

自宅サロンの場合、ある程度信頼関係が出来ているお客様の場合は来店しやすいですが、一切つながりの無い新規のお客様は逆に「自宅サロン」に関係性という意味でのハードルを感じる人も少なくはありません。

また先に挙げた立地やブランドイメージの問題もあります。

だからこそ、「そのサロンを選ぶ理由=明確なウリ・特徴」を打ち出していけないと、注目度が低くなり、そもそもの集客自体が難しくなってしまいます。

 

高価格の設定がしにくい

自宅サロンの場合、店舗型や全国ブランドの有名エステサロンと比較して「料金的には安い」とお客様にイメージされがちです。そういった先入観や、お客様側の期待があるわけなので、そのイメージに合わない高い価格設定をしにくい。高いとお客さんに選ばれない。という事が起こりがちです。

そのため、サービスの提供品質に合った価格設定が出来るように、商品・サービスの価値を分かりやすく打ち出しお客様に伝えていく必要があります。

 

夜間のお客様をとりにくい

自宅サロンの場合は、夕方以降は住居としての利用に切り替わるわけなので、子どもがいる場合でも、夫婦だけで住んでいる場合でも、夜の時間帯の営業は難しいという事がほとんどだと思います。

営業時間に制限が出るため、早い時間帯、遅い時間帯のサロンを利用を希望されるお客様は取りこぼしてしまうという事は仕方のない事です。

 

大々的な広告が打ちにくい

女性の方が家族と生活している自宅をサロンにする場合、あまり不特定多数の方に住所を知られたくはないというのが本音だと思います。エステやネイルなどの美容系サロンには美人が多いという事で、変な電話を掛けてくる男性も結構いるそうですが、ホームページやブログ、チラシ等で施術者としての起業家本人の顔も分かった状態で自宅の住所まで知られてしまうのは結構怖いことですよね。

そういう意味で、チラシやホームページでも詳細な住所は載せず、予約・問い合わせのあったお客様にだけ直接知らせるという方法を取っている方は多いです。

こういった点がネックになるため、あまり大々的に広告を打ちにくいという点はデメリットとして挙げられると思います。

 

仕事とプライベートのメリハリがつけにくい

最後は、店舗ではなく自宅事務所でも同じことが言えますが、普段の生活空間の一部を仕事用のスペースにしてしまうと、プライベートと仕事のメリハリがつきにくい、切り替えが難しいという問題はあります。

講師の黒瀬も起業直後は自宅兼事務所だったので、よくサボってました(笑)夜中まで区切り無く仕事をしてしまうという逆のパターンもありましたが。

女性の方は家事等、家庭の事が気になって本来仕事の時間として設定している時間帯に家の事をやってしまったり、そういう感じですね。

 

自宅サロンに関する5つの注意点

賃貸の住居の場合、事業用の利用が可能か貸主に確認を取る必要があります

まず、そもそもの話。お住いの住居が賃貸物件の場合、全ての物件が自宅兼事務所として利用できる訳ではありません。むしろ住居専用で事業用に使えないというケースの方が多いです。

ですので、まずは不動産会社さんを通じて貸主の方に確認・許可を取る必要があります。

この点については「自宅のアパート・マンションの一室を自宅兼事務所に出来る?開業届の住所・自宅事務所の注意点について」の記事で詳しく解説しています。

 

駐車スペースの問題でトラブルになるケースが多い

自宅サロンで近隣や不動産会社の方から注意を受けたり、トラブルになりやすいのが駐車スペースの問題です。細かい話ですが、お客様専用の駐車スペースがなく、来店時には自分の車を一時的にどけるような事をしていると、予定時間よりも早く着たお客様が別の駐車スペースに停めてしまったり、専用の駐車スペースを用意していてもお客様が違う場所に停めてしまったりして、アパートやマンションの他の入居者の方に迷惑をかけてしまうようなケースも発生します。

他の入居者からのクレームは、最も不動産会社、貸主からのイメージが悪くなりますので、お客様の用の駐車スペースの確保や案内はしっかり行うようにして下さい。

 

生活感を出さないように最新の注意を

エステやネイル、ヨガ、ピラティス等の美容・健康寄りのサービスを利用するお客様は、空間やサービス自体に「非日常」「特別感」を求める方が多いため、ホームページやチラシで期待を膨らませてサロンを訪れたのに実際は生活感丸出しの残念な空間だったという結果になればリピートしてくれるはずもありません。

自宅サロンであっても店舗に負けないような空間づくりをして、多くのお客様が期待する「非日常の感覚」が薄れてしまうような生活感が出ないように清潔かつサロンのイメージに合う状態をキープする努力が必要です。

 

不特定多数への過度な露出はリスクも

先に挙げた話ですが、自宅サロンの場合、やはり不特定多数の過度な露出はリスクを伴います。ホームページやチラシでも住所は番地までは明記しない。電話番号は載せず、お問い合わせフォームやLINEでの問い合わせのみとする等、ある程度気を使う必要があります。

 

低価格に設定しすぎると、店舗型に移行する際に自分の首を締める

また、自宅サロンで家賃や経費が安く済むからといって低価格設定にし過ぎるのは危険です。

自宅サロンを卒業し、店舗型のエステに移行しようとする際には、やはり家賃や光熱費の固定費の事も考えた価格設定を行う必要があるため、自宅サロンの時に安い料金設定をしている場合、価格を上げざるを得ない状況になる可能性が高いです。

安い料金設定についているお客様は、やはりその価格帯についているお客様なので、価格が上がると一気にお客様が離れてしまい、ゼロから集客をやり直さないといけなくなるというリスクがあります。

 

オマケ:理想的な自宅サロンの形、導線とは

最後に、これから自宅兼サロンの物件を探す人もいると思いますので、自宅サロンの理想的な形についても触れておきたいと思います。あくまでお部屋内部の話ですが、やはり玄関を入ってすぐに個室が有り、そのスペースで施術、サービスを行い、お客様を通すのはそのスペースとトイレ・洗面所のみ。奥の生活スペースはドアや間仕切りがしてあり、見えもしないという形が最も理想的ですよね。

リビングなどの生活スペースを通って、奥の施術用の部屋に行くというのはあまり良い導線とは言えません。

また、明確に施術スペースと生活空間の線引がしてある状態の方が、施術後にリビングに通されてティータイムのような事が良い意味でのギャップになります。

現在の住居の間取りにも寄りますので、あくまで理想の話ですが、これから物件を探す人は是非、お客様の立場で導線について考えてみて下さい。

 

まとめ

自宅サロンは年々増えてきているので、以前よりも「自宅サロン=独立型の店舗よりもサービス品質が低い」という先入観は薄れてきているように思います。

また、「完全予約制のプライベートサロン」「常に施術者が同じ」等、自宅サロンならでは特徴を強みとしてPRしていけば、独立型の店舗にも負けない魅力を発信していけると思いますので、家庭とのバランスを取りながらビジネスの成果が上げられるように頑張って下さい(*^^*)


筆者
黒瀬 圭

黒瀬 圭(Kei Kurose)
Girl’s Standard主催/株式会社ドリームテラー 代表取締役

1981年生まれ。沖縄県宜野湾市在住(出身は大阪府大阪市)
WEB制作、集客支援業務に12年以上携わり、子育て世代応援サイトも 運営。自身も2児のパパ。現在は、女性の起業、長く続くビジネスの 支援する立場として、全国の女性の自立支援に力を入れています。
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