「チャットボット (Chatbot) 」とは?:女性向けにビジネス用語を解説。コミュニケーション・顧客対応の自動化
まだあまり聞いたことがないかもしれませんが、AI(人工知能)を活用したサービスで注目されているものの1つに「チャットボット (Chatbot) 」があります。チャットは聞き慣れていると思いますが、bot(ボット)とは人間の代わりに作業を行ってくれるプログラムの総称で、ロボットを語源にしています。
例えば、検索エンジンのbotは人間の代わりにネット中のWEBサイトを調査(クロール)し、予め作られた評価基準(アルゴリズム)に基づいて機械的にWEBサイトの情報を収集・評価します。
つまり、チャットボットとは人間の代わりにチャットを行ってくれるプログラムという事になるのですが、実際どのような活用が考えられるのでしょうか?
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マイクロソフトが開発したAIチャットボット女子高生「りんな」の登場
LINEの友達一覧で「りんな」と検索すると、後ろ姿の女子高生写真で「りんな」という公式アカウントが表示されます。
一言メッセージは「私、実はAIなんだ!一緒にお話ししよう!」となっています。
女子高生AI「りんな」はマイクロソフトが実験的に開発・運用しているもので、何かを売り込まれたりするわけではなく、AIとのチャットを気軽に体験し楽しめるという主旨のものなので、友だち追加しても害はありません。
興味のある方は是非、試してみて下さい。
実際に友だち追加して、会話をしてみると、会話の精度はグタグタw一般的な質問・回答のやり取り、よくある会話レベル程度のやり取りしかまともに出来ない感じです。
でも、チャットボットAIには学習機能があるので、全国で行われる「りんな」⇔「ユーザー」間のチャットデータを蓄積し、成長、進化し続けているので、日々精度が上がっていく事になります。
チャットボットの精度が人間レベルに高いものになると、現在人が行っているサービスがAIであるチャットボットに置き換わる可能性が高いと言われています。
もし保険のコンシェルジュAI「ホケ子」が登場したらどうなるか??
現在、保険の一括請求が出来るWEBサイトが数多くありますよね。検索エンジン上位表示が出来ている保険の比較・一括資料請求サイトは申込みを獲得することで多くの広告収益(成果報酬)を得ています。
またリアルでも、街中やショッピングモールの中に「保険の相談が出来る窓口(様々な保険を取り扱っている)」があったりしますよね。
でも、もし保険のコンシェルジュAI「ホケ子」が登場したらどうなるでしょうか?
「りんな」と同じように、LINEの友だち追加で「ホケ子」を追加してチャットをすると、一人ひとりに合った最適な保険を高精度で提案してくれる。
そんな事になったら、保険の比較・一括資料請求サイトも、総合的な保険の相談窓口も存在意義がなくなってしまいます。
「条件に合ったものを情報検索、提案」というスタイルの業務はチャットボットの得意分野
年齢や病歴にあった生命保険、年齢・走行距離に合った自動車保険を提案する/スリーサイズ、服のジャンル、好みの色を聞いてファッションの提案をする/好みのジャンル、目的を聞いて書籍の提案をする等、「データの中から条件に合ったものを情報検索、提案」というスタイルの業務はチャットボットが最も得意とする分野です。
こういった分野のサービスを中心に提供している場合、「対面で人が接する事の強み」を見出してサービスを提供していかないと、チャットボットに業務、市場を奪われることにもなりかねません。
チャットボットは検索エンジンの存在意義を揺るがす存在になり得る!?
もう一つ注目すべき点は、「チャットボットが従来のWEB集客上の成約フローを大きく変えてしまうかもしれない」という事です。
従来は
A:検索エンジン→WEBサイト→成約(商品購入・申込み)
B:アプリで情報検索→対象商品・サービス→成約(商品購入・申込み)
という形がほとんどで、Aが圧倒的に多かったのですが、ここに
C:チャットボットとのチャット→提案→成約
が加わる事になります。
Cが今後とのトレンドになると言われているのは、チャットボットがLINEやFacebookメッセンジャー等、ユーザーの利用頻度・時間が多い「メッセージング・アプリ」を土台として提供されるサービスだからです。
検索エンジンでの情報検索は、検索エンジンを開いてキーワード検索し、検索結果からサイトを取捨選択し、内容をチェックして購入・申込みの検討をするというステップが必要ですが、チャットボットの場合、LINE画面でチャットをすれば最適な提案が得られることになるので、「得たい結果→成約」の流れが早くスムーズですよね。
「検索エンジンというルートを通らずにWEB上の成約が起こる」これが増えてくると、これまで検索エンジンが主役だったWEB集客の在り方が大きく代わることになります。
チャットボットの活用が期待される=人の仕事が奪われる可能性がある分野、業務
あらゆる顧客対応・サポート
ネットショップで商品に関する質問や、ネット・リアルに関わらず購入商品のアフターサポート等、あらゆる顧客対応・サポート業務をチャットボットが行うという時代が来るかもしれません。
これにより、WEBサイトのQ&Aコーナーが不要になったり、多くのスタッフを雇用して顧客対応を行うコールセンター業務(インバウンド=受信)も不要になるかもしれません。不要とまではいかなくても、遅かれ早かれ人員削減に繋がるような影響は必ず出てくると思います。
商品提案
チャットボットは「こういう症状の時にオススメの薬は?」、「こういう体型・好みで、目的がこの場合にオススメのファッションコーディネートは?」、「この条件で最適の保険は?」、「この条件で最適の住宅ローンは?」、「この条件で、光熱費を見直しはどうすれば良い?」など、様々なニーズに対応して商品提案を行う事も可能です。
機械的に比較、分析できる業務なら人よりもAIの方が的確な提案ができますし、アドバイザー的な業務もよっぽど能力の高い人でないと生き残っていけない状況がやってくるかもしれません。
商品案内、告知
例えば、車に興味のある人が車系のチャットボットに登録をしておけば、最新の車情報やイベント情報を教えてくれる。大手ブランドのチャットボットに登録をしておけば、各ユーザーの好みに合わせて新商品の案内を行ってくれる等、企業の告知・情報提供にも活用されるようになると予想されています。
AI秘書
「今日の予定は何時に◯◯、何時に◯◯で、電車の乗り換えは◯◯線を利用するほうがスムーズです。雨予報なので傘も忘れずに」などと言った、スケジュール伝達+αの情報提供をしてくれるAI秘書のようなチャットボットも登場すると思います。
さらに「◯◯線で事故が発生しました!◯◯経由で行った方がスムーズです」といったリアルタイムな情報を伝えてくれると、さらに便利ですよね。
個人的に、秘書系の高精度なチャットボットが登場したら絶対入れたいですね。
そうすれば、少し前にかなり落ち込んだ「免許のうっかり失効」のような致命的な凡ミスも避けられると思うのでw
人がチャットボットに仕事を奪われないようにするためには?
最近は、これからAI・人工知能がドンドン人の仕事を奪っていくという話を聞く機会も増えていますが、上記の内容を読んで頂ければ少し具体的なイメージも湧くのではないでしょうか?
じゃあ「人がチャットボットに仕事を奪われないようにするためにはどうすればよいか?」という話ですが、これはやはり「感情・心理」という部分が重要で、対面であるからこそ提供できる価値を高めていくしかないと思います。
表情から相手の心理や求めている言葉を読み取ってコーチングを行う、スタイリストであればファッション提案時のコミュニケーション力など、感情や心理が影響する分野では人がAIに優れる点は色々とあると思います。
ただやはり、膨大なデータから条件に合ったものを提案するという機械的な業務がベースなら、チャットボットに取って代わられても仕方がないというのが正直なところで、業種・業務内容によっては時代の流れに逆らえないケースもあるとは思います。
まとめ
まだまだ発展途上のチャットボットですが、これが普及・一般化すれば「便利なサービス」というだけでなく、WEB上の購買・申し込み等の成果に関わる流れを大きく変える可能性、様々な分野で人間の業務をAIが奪うという社会の変化にさえ繋がるものです。
ビジネスを行っている方、これから起業をしたい方にも大きな影響があるものなので、是非、「チャットボット」にアンテナを貼っておいて下さい。